2003年4月、何を思ったか金剛杖と菅笠を被り白装束に身を包んでお四国を巡る旅に出ました。

  日付 曜日 行   程  宿 泊    備 考
 2003/4/26 名古屋11時の夜行バスで徳島まで
27 1番霊山寺〜7番十楽寺  安楽寺宿坊 
28 7番十楽寺〜11番藤井寺   旅館ふじや
29 11番藤井寺〜12番焼山寺  焼山寺宿坊
30 12番焼山寺〜13番大日寺  旅館かどや
2003/5/1 13番大日寺〜18番恩山寺   民宿ちば
2 18番恩山寺〜21番大龍寺   民宿龍山荘
3 22番平等寺〜23番薬王寺 

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名古屋発徳島行きの夜行バスに乗る、3列シートのバスだと思ってたら昔の4列シート型のバスで窮屈な姿勢で眠れず、時々うとうとしながら翌朝520分にはJR徳島駅に到着。

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高徳線の始発電車に乗って板東駅で下車、歩いて10分ぐらいで1番の霊山寺に到着。
GW
と重なっていたので寺の中はバス参拝の団体でごった返していた。参拝の手順は覚えていたが、周囲に人が一杯で気持ちが上がりまくりでうまくお経を唱えられなかった。
ここの納経所の売店で欲しかった「四国遍路ひとり歩き同行二人」の本を手に入れる。ここで傘と杖を買うつもりだったが混雑していたので門前一番街に行くが時間が早かったのかまだ店は開いてなかった。

2番の極楽寺の売店で傘と杖を購入するが、杖は鈴の音が煩わしいので鈴は付けなかった。
白衣や数珠、納経帳はインターネットの通販で用意した。
お経は練習の甲斐あってかなんとなく唱えられたが、参拝の手順を間違えてしまったり、飛ばしてしまったりで我ながらぎごちない。
27日は6番の安楽寺に宿泊の予約をしていたので、荷物を置かせてもらって7番十楽寺までお参りしてきた。途中番外札所の愛染院にも参って、別格を含め108ヶ所中ここだけの刷毛書きの納経印を戴く。
宿坊での夕食は精進料理じゃなかったしお酒も飲める。
その後で夜のお勤めに参加してお大師様のお膝も触らせていただいた。住職の話も楽しかった。
もう少し硬いイメージがあったけどなんとなく宿坊に泊まるというのはこんなもんかなと思った
                                          
 1番霊山寺
 遍路道の標識 
6番安楽寺

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安楽寺を7時頃に出発。昨日の夕食のときに一緒になった方々と前後しながら歩く。歩きが三回目の方と一緒に歩かせてもらう。さすがに慣れているのか歩くペースが乱れない。しかし、私は財布の中が心もとないので郵便局を探しながら歩く。現金はあまり持ち歩けないので三日分の宿賃と飲食費を常に持っているようにした。
田舎では銀行は無いので郵便局のATMを利用できるようにした。
今日は
8番熊谷寺から納経して11番の藤井寺まで、それにしても荷物をもっとよく考えて持ってくるのだった,ウェストバックは失敗。ザックが28Lだから着替えを少なくすれば良かった、物が入らない。サイドボケットのついた35Lぐらいが適当かな。ウェストバックはもっと小型で十分だった。ヤッケももっと軽量タイプのものにすべきだった。ザックごと包むポンチョ型の雨具は正解だった。この日は殆ど平坦地のアスファルト道を歩いた。
16時頃に今日泊まる宿に着いて荷物を預け、11番藤井寺へ納経してきた。焼山寺へ登るのに一番便利な宿なのとGWなので一部屋4人の相部屋だった。風呂や洗濯も終わって食事前のひと時を遍路談義で過ごす。
明日は藤井寺の奥から登山が始まる。遍路ころがしで有名な道だ。
川島橋(潜水橋) 
11番藤井寺の藤棚

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今日は焼山寺への登りで、足が持ってくれて良かった。右足の膝関節が何時痛んでくるかと心配だった。
普段の仕事をしていても身体が疲れてくると右足の膝関節が一番最初に痛んでくる。無事登りきって嬉しくて涙が出てきた。
遍路に行くと決めたときからこの山は心配の種だった。
昔からこの11番から12番へ行く山道は遍路ころがしといわれているように3回の登りと2回の下りがあり厳しい事で有名な道だ。標高は約700メートルで札所の中では3番目に高いところにあるお寺だ。
藤井寺手前の宿でいい人に出会って登るペースを教えてもらいながら途中まで一緒に登り、昨日他の相部屋だった人たちとも焼山寺で会えた。本当に嬉しかった。
感激で胸が詰まってお経が上手く唱えられなかった。
納経も終わって一息ついたのが14時頃だったけどここの宿坊に予約していたので後は宿坊に入って身体を休める事にした。予約の取れなかった人たちは次の13番への途中の宿まで進んでいった。ここも相部屋で洗濯と風呂も終わってから相部屋の人と一緒にビールを飲んだ。美味かった。

柳水庵で一休み
一本杉庵の大師像



焼山寺から下る朝から雨
4月30日
外は朝から雨模様で薄暗い、ポンチョを被って出発。小雨の中を12番焼山寺から13番大日寺まで歩く。宿は大日寺のすぐ横の「かどや」に予約。時間的にかなり余裕があったので番外の童学寺か建冶寺に寄る予定。途中八朔をお接待で戴く。予定していた食堂が休みだったので近くの雑貨店でおにぎりを売っているか聞いたら無いとのこと、しかし、巻き寿司があったので昼食用に買う。相変わらず雨は降ったり止んだり。建冶寺への遍路道案内があったので寄る事にした。寺までは凄く長く感じた、ガイドブックは1時間程と書いてあったが何時間にも感じた。晴れていたらさぞかしいい眺めを堪能できたのにと思いながら山道を上へ上へと登っていく。道は暫らく誰も歩いた事が無いようで草ぼうぼうで遍路道の案内だけが所々にあった。もう大分経つのに誰にも合わないし家も無いしで雨で休憩するところもない。暫らく登って家はあったが道を聞こうと挨拶しても誰も出てこない・・・困ってしまった。この道が建冶寺に通じているのか不安になる。もう少し行けばまた家があるかもしれないと思いながら案内のある道に入ったはいいけど、雨と霧で普段でも薄暗い遍路道はますます暗くなり、不安と焦りと孤独感でどうしようもなかった。必死に光明真言を唱えながら歩いた。もうどれくらい歩いたか無我夢中で歩いていたのでそれほど時間が経っていたんではないと思うけど、1時間半ほどでやっと無事お寺に到着・・・・やれやれ。人に会えたのがこれほど嬉しかったのは久しぶりだ。お腹も減っていたし。しっかり本尊の不動様にお参りして納経所でお昼を食べた。ここの下りもまた大変な道で、登ってきた時とは違う道を降りたのだが修験者が登ってくる道だったそうで急勾配の鎖場を避けて安全な道と表示しているほうを降りてきたのだが来るときにも増して荒れていて険しい道だった。後から調べてみて、修験者の通る道だったとは・・・。麓の村まで降りてきたら雨も上がって、歩くペースも随分上がって3時半には宿に着いた。一番風呂に入って、洗濯して濡れた物を部屋に乾して、またまた、ビールを飲んでしまった、美味かった。
これからはカメラを出す気力もなくって荷物を背負って歩くだけが精一杯、途中からまた撮影を再開  13番から19番までは写真を撮るのを止めた。 

5月1日 
6時30分の朝食を15分早くしてもらって早や立ち。14番でしっかり納経していたらお接待でお金を頂いた、嬉しいがさて、このお金をどうしたものか・・・結願の報告に高野山に行くけどそのときに納めてこようかな。4番で戴いたお接待は23番の薬王寺のお賽銭にさせていただいた。13番から18番は徳島の平野部と街中だった。街中は特にいやだなぁ、アスファルトの道は車には便利だけど歩き遍路にとってはきつい道だ。最後のお寺頃にはお経が手抜きになってきた。またまた3時ごろに宿に着いたので荷物を宿に預けて恩山寺まで往復、今日のお宿は「民宿ちば」。うーん、あてにしていた鶴林寺の宿坊がお休みで取れなかった。こうなると次の宿は大龍寺の向こう側まで無い。迷ったけど無いもんは仕方が無い、何とか大龍寺まで行けばロープウェイもあるし、そこで、まだ歩けるようだったら麓の龍山荘まで行けばいいと思って次の宿に仮予約だけしておいた。民宿ちばには無理を言って早や立ちさせてもらう。昨日の夜のうちに今日の朝食をおにぎりにしていただき清算を済ませておいた。
5月2日 
5時に起きて5時半に宿を出る。昨日19番立江寺までいったが5時過ぎだったので泊まるところが無いと「ちば」まで戻ってきた方と一緒に行く事になった。7時前に立江寺に着く、お参りだけして納経所が開くまで休憩と朝飯のおにぎりを食べる。ここで杖の鈴と持鈴を買った。山の中を一人で歩いているとお大師様がついているとはいえ心細い。3日目の焼山寺へ登るとき鈴がなっているのを聞いて誰か近くにいるんだと多少なりとも安心した覚えがあるから。今日も2つの山越えがあり山道で使った。途中ローソンで昼食用のお握りを買った。登りは結構きつかったけど焼山寺の登りに較べたらたいしたことは無かった。無事に4時半頃には今日の宿の「龍山荘」に到着。
いよいよ明日は高知県最後の札所薬王寺まで行くけど、今日は朝5時半から夕方4時半まで我ながらよく歩けたなぁっと思う。
宿に着くと最初にするのは洗濯で次にお風呂、で翌日の予定を組みながら納め札の日付を書いたりして食事までの時間を潰す。歩き遍路で一番嬉しいのが食事の時間でなんでもおいしく戴きました。
5月3日
今日も少し早立ちで6時に食事6時半頃には宿を出発。徳島で最後の札所薬王寺を目指す。22番平等寺までに峠道があってそれを過ぎるとアスファルトの道がずーっと続く。55号線に入って歩道のないトンネルを通ったりして2時半頃には薬王寺に到着した。
予定より1日早く到着したが今回はここで区切りとした。
20番鶴林寺への登山道より
21番大龍寺
日和佐の町
           
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