予 定 行    程    宿泊先         備    考      
8月5日  木  名古屋〜松山:松山〜伊予和気行    夜行バス
53番円明寺〜コスタブランカ コスタブランカ
コスタブランカ〜[54]〜[58]〜仙遊寺  仙遊寺宿坊  5 4〜55まで車のお接待を受けました
仙遊寺〜[59]〜栄家旅館    栄家旅館
栄家旅館〜[60]〜[61]〜香園寺  香園寺宿坊
10 香園寺〜[62]〜[64]〜別格延命寺〜伊予三島    ろんどん荘 64〜伊予三島まで列車移動
11 ろんどん荘〜[65]〜椿堂〜民宿岡田    民宿岡田 苦手な境目トンネル
12 民宿岡田〜[66]〜[70]〜本大BH    本大BH
13 本大BH〜[71]〜75番善通寺〜名古屋


松山市内を過ぎて海が見えた


浅海の集落


宿のすぐ前の堤防から
8月5日
夜行バスで松山まで。バスの中は満員だった。お遍路さんらしい人は見かけなかったが、四国へお盆の里帰りの人達だろうか?
8月6日
松山駅から伊予和気駅まで列車移動。
53番円明寺にゆっくりお参りして今回の区切り打ちを始める、予定は75番善通寺まで。
前回の春の区切りは雨模様だったけど、今回は晴れ上がった暑い日の連続だった。
円明寺から街並みを抜けて国道沿いに歩いて海にでた。しばらく海沿いを歩く。
瀬戸内の島々が霞んでみえる。漁船がゆっくり蛸壺らしき物を海に入れなが私と同じ方向に進んでいる。海の水は澄んでいてとても綺麗だ。
北条市に入ってだらだらと日陰の無い国道沿いを歩く。北条駅近くでカーゴを引きずって歩く遍路に追いついた。挨拶をして先を急ぐ。時々道行く人に「鎌大師に行くにはこの道でいいですか」と尋ねながら番外の養護院に立ち寄るのも忘れて鎌大師方面の山並みを目指す。
自宅や職場にいる時など次はあそこに寄ろうここにも寄りたいなどと色々思いを馳せるのだが、現実になってみると先を急いで忘れる事ばかりで思うようにいかない。
区切り打ちも5回目ともなるともう少し心に余裕を持ちたいと思うのだが・・・
お昼前後に番外の鎌大師に到着した。無人のようだった。お参りして日陰で一休み、昼食のお握りを食べる。
鎌大師に行く手前の道路に工事中の看板があって浅海方面通行止めとして有ったが、近くで工事中の人に尋ねたら浅海には抜けられるとの事だった。少し坂を登って老人ホームの下を右に曲がり、山の中のみかん畑の中を通って下り、今夜の宿に14時過ぎに到着した。少々早いかなとも思ったが夜行バスの疲れを取るためにも初日はこれ位に抑えて丁度いい(15から16k)。15時ごろまで2階のクーラーの効いた喫茶店で火照った身体を冷やす。
今夜の宿泊客は私一人だけとの事、部屋に案内されてさっそく汗だくになった衣類を全部洗濯する。ここの宿は洗濯機も乾燥機も有ってありがたい、明日また同じ服を着られる。洗濯している間に風呂に入り、食事の時間まで部屋でクーラーを付けてくつろいだ。
後からもう一人宿泊客が来たみたいだった。向かいの部屋に泊まったみたいだが、食事のときも顔をあわせることは無かった。この宿は夕日を眺めながらの食事も美味しかったし料金も安かった。建物も設備も新しくはないし部屋も3階にあり使い辛いが気楽に過せるいい宿だった。

8月7日
6時半頃に宿を出た。昨日の宿で今日は何処ら辺りまで足を伸ばそうかと悩んだ末に56番泰山寺の宿坊がよかろうと宿泊の予約をしたが満員で宿泊できないとの事。歩く距離も26キロぐらいで丁度よかったのだが・・・。再度悩んでコスモオサムか58番の仙遊寺宿坊にするか・・・とりあえず仙遊寺に電話すると今夜はOKとの事なので予約した。しかし2日目にして32キロは距離がありすぎるな・・・。まぁ、何とかなるでしょうと、このときは思った。
朝は海沿いの国道196号線を歩き菊間町に入ると瓦工場がよく目立つ。番外の遍照院にお参りする。
土産物売り場のお婆さんからお菓子のお接待を受けた。納め札を渡して少し雑談する。名古屋の東海市に親類がいるそうだ。お別れしてまたまた国道沿いを歩く。空は雲も無く太陽がカンカン照りになってきた。肌がじりじりと太陽に焼かれていくのがわかるような感じだ。アスファルトからの照り返しも厳しい。屋根のあるバス停で小休止。太陽石油精油所隣の青木地蔵にお参りする。
この暑さで段々と身体がバテて行くのがわかる。暫らく歩いて海辺の喫茶店で大休止。靴下も上着も脱いでアイスコーヒーを飲む。風通しのよい屋外の日陰で飲むコーヒーは旨かった。
喫茶店のお客としばし雑談する。歩き遍路の話から野宿遍路の話、石鎚山の話まで、またまた女性の野宿遍路の話も出た。女性の野宿遍路は危険なので地元のみなさんも気にしているみたいだった。
たっぷり休養してからまた歩き始めた。JR大西駅近くのお菓子屋さんでコーヒーの接待を受ける。
この方は小学校の手前の三叉路で迷ったときに道を教えてくれた方だった。お店には遍路道保存協会の方々の写真が飾ってあった。このお店でお土産のタルトでも買えばよかった。少しお話してから出発まえに凍らせたみかんを戴く。汗ぬぐいのタオルにくるんで後ろの首の付け根に当てる。冷たくて気持ち良い。歩く元気を分けてもらったようだった。凍ったみかんの皮がふやける頃に食べるとシャーベットみたいで旨いそうだ。事実冷たくて旨かった、感謝。
ようやく54番延明寺に着いた。11時52分やれやれ〜。53番から長かったなぁ。
お参りと納経を済ませて55番へ向う。カンカン照りの田圃道を歩いていると軽トラに乗った地元のお爺さんが「わしも南光坊近くに行くから乗っていかんかね」と声を掛けてくれた。ありがたく、乗せて行って貰うことにする。降ろしてもらう時に納め札を渡そうとするのだが何処に仕舞ったか捜してもすぐには出てこなかった。暑さで頭もボーっとしてたみたいだった。ようやく納め札を出してお礼を言って南光坊の前で降ろしていただいた。
55番南光坊にお参りして納経所へ。納経所の方に御本尊のことに付いてお話を伺う。このお寺の本尊は大変珍しいご本尊で、名前を大通智勝如来といいます。 ご本尊の大通智勝如来は法華経第七化城諭品に説かれており、釈迦如来の第十六番目の弟子で修行の結果仏になることができたという説と、釈迦の師匠であると言う説があります、等々。聞いているうちに時間がなくなってきたので次に行きたくてウズウズしていたら錦のお札を戴きました。本尊様の詳しい事は又後日資料を送って下さるという事なのでお礼を言って又歩き始めました。
それにしても、日中の街中の舗装道路を歩くのは辛い。30分程歩き、昼食と休憩を兼ねて一休み。カレーを食べアイスコーヒーを飲んで1時間程身体を冷やす。
14時半に56番泰山寺、15時半に57番栄福寺、16時半に58番仙遊寺手前の休憩所にたどり着いた。日蔭も少なくカンカン照りの舗装道を歩くのは厳しかったぁ。休憩所で一休みして最後の登り坂を上がる。坂の途中の冷たい湧き水を何杯も飲んだ。旨かった。
本堂に着いたのが17時5分前で息を整えるまもなく納経所が締まってしまうので先に納経していただいた。納経してくれたのはお寺のお嬢さんらしかった。
ゆっくり休憩し息を整えてから本堂、大子堂とお参りを済ませた。今夜はここの宿坊に泊まる。
部屋に案内されて洗濯、風呂を済ませる。ここの宿坊は今治市内を見下ろせる山の中腹にあり、部屋から夕日に染まった風景を楽しんだ。このお寺には2匹の茶と黒の大きな犬が飼われていて、黒い方は最初不気味な感じだったけど慣れてくると躾の行き届いた可愛い奴でした。それからこの宿坊の食事は精進料理で美味しかった。宿坊に泊まって精進料理を食べたのは初めて。
57番へ行く途中の遍路道やここに登ってくる遍路道のマムシに怯え、アスファルト舗装された道で炎暑、酷暑に悩まされヘロへロになったけど充実した一日でした。約30キロ弱の歩きだったけどバテました。

海沿いに走る国道196号線

星の浦海浜公園の中の
喫茶店より

54番延命寺

55番南光坊

仙遊寺の宿坊より


国分寺


臼井御来迎


日切大師
8月8日
朝食の前にお勤めがあるとかで6時に本堂に集合し皆で理趣教と般若心経を唱え、住職の説教を聴きました。
バス巡拝の団体さんと一緒にお粥の朝食を戴いて7時過ぎに出発。今日の札所は59番国分寺のみで宿は丹原町の栄屋旅館までの予定。
7時頃には陽がしっかり昇って暑くなってくる。6キロ程歩いて59番国分寺に着いたのは9時頃だと思うが暑さで頭もボーっとしており記憶が薄い。お寺の前で托鉢していた遍路がお経を唱えていたので帰りに500円の布施をしたら錦の札を戴いた。今回は55番の南光坊に続いて2枚目だ。錦の札も金札も要らないのだが誰か欲しい人がいたらあげようと思って持っている。暫らく歩いて国分寺から2.4キロ程の所に交番があったので近くに喫茶店がないか尋ねようと思って入った。非番の方が奥から出てきていろいろ教えてくれた。後少し道路に沿っていくと喫茶店があるということと、最近はお遍路さんの荷物を盗んでいく奴がいるから参拝中でも貴重品は身につけて気をつけなさいとか。この前、大阪から来た女性二人組みも荷物を盗られて「もう二度と四国には来ない」といって帰っていったとか。
四国も良い人たちばかりでは無いんだと、当たり前なんだけど思ったりもした。
しばし、広い道路沿いに歩いてようやく喫茶店に入って一休み。冷たい水とコーヒーが旨かった。
交番のお巡りさんは後少しといったけど交番からここまで炎天下を1.6キロちかくも歩いてるんだよねー。解ってはいるけど、歩きと車の距離感覚は全然違うなぁ。
ここの喫茶店で抹茶飴のお接待を戴いてまたまた、暑い暑い国道を歩き、お昼頃に番外の世田薬師(栴檀寺)に着いた。お参りして日蔭で小休止、近くの自販機で飲み物を買う。自販機で冷たい物を買っても歩いている内に直ぐに生暖かくなってしまう。
陽射しの厳しい田圃道や集落の舗装されたところを歩いて番外臼井御来迎、日切大師を過ぎ昼食のできる喫茶店を捜す。広い道路沿いにようやく喫茶店を見つけて入り冷たいそうめんを頼んだ。
ここで大休止。ここを出てからどう迷ったのか地図を見ても場所が分からなくなってしまう。
近くの通りがかりの方に道を聞いて教えてもらう。何とか方向の見当がついたので歩いていたら、雨が降ってきた。近くで雷も鳴り出した。カッパを着るほどではなかったので急ぎ足で歩く。
暫らくして目標の消防署や学校があったのでペースを落としたら、雨も止んでいた。
雨のおかげで蒸し風呂の中を歩いている感じだった。喫茶店を見つけてまたまた小休止。
一休みしてから宿までは10分ぐらい。
明日は60番横峰寺、山の頂上近くのお寺だ、連れが欲しいなと思っていたら宿で岡崎から来た方と一緒になった。今夜の宿で遍路は2人だけだそうだ。それにしても、同じ愛知県の方と一緒になるとは思わなかった。


石鎚橋より

妙雲寺から湯浪への道

60番 横峰寺

61番 香園寺
8月9日
昨日の夕食時とかに岡崎の方といろんな雑談をしていたが内容は思い出せない。
明日は一緒に登りましょうという事で朝食を6時30分から一緒に食べる。宿を出るときは荷造りを前夜に済ませていた私が10分ほど早く宿を出た。ほんとは朝食を抜いて4時半頃には宿を出たかったのだが一緒に朝食を頼んでしまったのでのんびりと発つことにした。
途中のコンビニで昼食用のお握りとお茶を買って妙雲寺に8時ぐらいに着く。一休みしてまた歩き出す、段々と山の中に入っていく。今日も陽射しがキツイ。宿から2時間近く歩いたところで地図には載っていない喫茶店を見つけたので休憩する。冷たい水が美味しくて2杯お代わりしてしまった。7月の30日にオープンしたそうで中々良い場所にあった。脱サラして開いたお店らしい。店を出る頃に岡崎の方がやってきた、少し雑談してから先に出発する。
この先から上の休憩所のある水場まで沢山のアブに追いかけられた。アブを殺さないように汗拭き用タオルで払いながら歩いたけど、中々アブ達は退散してくれなかった。
休憩所で冷たい水を飲んで一休み。ペットボトルにも水を詰めて水場の上の階段を登る。
沢沿いの木陰の山道が気持ち良い。山道の所々にある石仏を見ながら段々と高度を稼いで
最後の急登を終わったら山門に出た。11時40分ようやく着いた。息を整えて本堂、大師堂と
ゆっくりお参りする。ここは88箇所中2番目に高い所にあるお寺だ。やっとここまで来れましたって感じ。納経も終わって東屋で休憩していると岡崎の方も到着した。空模様が少しおかしい、晴れていたのだが雲が出てきたみたいだ。本堂の上の森にガスがかかってきた。昨日の14時頃には雷がなっていたので今日も来るかなと思っていたら案の定雲が出てきた。雷は怖いので星の森と石鎚山は諦めた。石鎚山には登ってみたかったけどこの体力では到底無理だ。
お天気が崩れてこないうちに山を降りる事にする。軽く昼食をとって山道を下る。香園寺奥の院の道をとる。全体は下りだけど結構アップダウンがある。お天気が気にならなければもっとゆっくりこの道を楽しめたのだけど、奥の院の手前ぐらいから雨も降りだし、雷も鳴って来た。木陰でザックを降ろし雨具を出して着る。奥の院によってお参りして奥の滝の行場を見に行くと誰かが行をしていた。滝の水に打たれながら般若心経を唱えていた。暫らくその様子を眺めてから次は61番香園寺を目指して歩いた。61番に着く頃には雨は止んでいた。15時30分頃到着。
事前に予想はしていたけど、ここはお寺らしくない建物だった。何処かの公会堂みたい。
足は大丈夫だけれども、腰が少し痛くなってきたのでゆっくり参拝した。建物の中の椅子席には座らずに御本尊と大師像にお経をあげた。今日の予定は64番までだったのだが宿が無ければ仕方が無い。今夜の予定の宿にはまだ連絡が付かない。何度か山を降りてくる途中で電話したが不在のままだった。どうしようかと迷っていた時に丁度岡崎の方が到着した。
岡崎の方も何度か同じ宿に電話したが連絡が取れないそうなので今夜はここの宿坊に泊めてもらうことにした。幸いな事に部屋は空いていた。
8畳から10畳は有るような大きな部屋に一人で宿泊。TVは無いので洗濯を終わると何もする事が無い。そういえば安産でここのお寺は有名だった。娘の安産を祈ってもらう事にする。
安産祈願2500円なり。無事生まれたらお礼参りにまた来なくては。
明日の62番は7時前には着きたかったので朝食は抜きにしてもらう。


63番 吉祥寺
8月10日
6時頃には宿坊を出発、途中のコンビニでお握りと牛乳の朝食を買い近くの屋根のあるバス停で朝食をとる。62番宝寿寺に七時前に着いて本堂、大師堂とお参りする。こじんまりしたお寺だった。納経所が開くのは7時からなのでゆっくりとお参り。でも、15分前に掃除をしていた方が納経所を開けて納経していただけた。自転車遍路の方にも会うが挨拶しただけで話はしなかった。暑くなって来た国道沿いを63番吉祥寺に向かう。7時30分頃に到着。ここもあまり大きくないお寺だった。お参りを済ませて国道を横切り集落内の遍路道を64番前神寺に向かって歩く。前神寺の手前に石鎚神社がありここもお参りした。今回は体力不足と雷で石鎚山に登れなかったけど次回は登れますようにお祈りしてきた。前神寺は結構広くて境内の奥に本堂があった。お参りして納経も終わり一休みしていると岡崎の方が疲れた様子でやってきた。昨日の横峰寺の上り下りで体中が痛いとか。今回の遍路はここで区切って帰りますとの事。確かに昨日はキツイ一日だった。私も腰は痛いし身体も重い。いろいろ悩んで石鎚山駅から伊予三島まで列車を使うことにする。伊予土居で途中下車して別格の12番延命寺には立ち寄る事にした。岡崎の方とは土居駅で別れ延命寺に向かう。11時20分頃お寺に到着。お参りして納経をすませる。別格の念珠を買い忘れた。今回列車で飛ばした箇所は次回に歩く事にする。
お参りしてから次の列車まで時間が有るし、お腹も空いていたので近くの食堂によってそうめんを食べた。この食堂の奥さんは名古屋の海部の出身だとかで名古屋の話で盛り上がる。
昔の名古屋と較べると今は随分変わったとか。
そうこうしているうちに列車の時間を間違えて乗りそこねてしまったσ(^_^;)。次の列車の時間まで駅近くの喫茶店で時間潰し。身体も冷やせたし丁度よかった。今夜は伊予三島のろんどん荘に予約が取れた。14時頃に到着。風呂と夕食まで時間が有るのでお決まりの洗濯をする。洗濯機と乾燥機も有ったのでありがたい。夏場は物凄く汗をかくので毎日洗濯は欠かせない。喫茶店で座っても汗でお尻の後がクッキリ残ってしまうぐらい。
洗濯と乾燥が終わって、近くのコンビニに梅干と飲み物の買出しに出た。ついでに資金も不足してきたので郵便局にも寄る。空っぽのペットボトルに宿でもらったお茶を詰め、冷凍庫で凍らせる。明日の暑さ対策用にする。氷が溶け切るまでは冷たいお茶が飲める。明日の宿の予約をしてから足のマッサージも終わり、クーラーを効かせてしばし昼寝をした。お風呂ができましたの声に起されて風呂に入り夕食となった。今までで一番豪華な夕食でした、刺身と添え物が2〜3品と20センチはあろうかいう大きなエビフライが着いてました。ご機嫌V(○⌒∇⌒○) ルンルン。
で、ビールを1本と朝食抜きの料金で6000円だったかな。宿代も安かったし料理も美味しかった。

64番 前神寺大師堂

別格12番 延命寺の松


朝の高速道路脇の遍路道
8月11日
朝食は途中のコンビニで食べる事にして、5時半頃に宿を出る。前夜冷蔵庫に入れて凍らせておいたお茶をザックのサブポケットに入れる。昨日のうちに教えてもらった道順を辿ってコンビにまで歩いた。
コンビニが遍路道から大分外れていたので朝の散歩をしている人に道を尋ねながら歩く。
夏場はやっぱり早朝歩きの方が随分とはかどる。高速道路の下をくぐり左折。変電所の前を通って戸川公園でトイレ休憩する。電気の点かない薄暗いトイレには蚊が沢山いて気持ちが悪かった。
野宿で廻っているらしい若者がトイレ近くのベンチに座っていたので挨拶を交わし、先に65番三角寺に向けて出発。集落内の途中の分岐点で直進と右折の案内板があり、右折はアスファルトの車道らしかったので直進の細い道を遍路道だろうと思って進む。
途中は古い遍路マークも会り段々と山の中へ道は続いている。
蓋のある水路の上を通ってみかん畑の中の道に出た。ここら辺りで案内板を見失ったらしくて道に迷う
。暫らく迷って近くの民家まで行き道を尋ねた。「昔はその道でも登れたんだが今は使ってないよ」との事で、みかん畑の谷の向こう側に見える舗装道路まで戻らなければならないらしい。
何とか舗装道路には出たが、途中でついさっき車に轢かれたらしいマムシを発見、ドキドキしながら歩く。さらに、みかん畑の石垣から茶色い蛇が目の前に飛び出してきた。吃驚して立ち止まり蛇が行き過ぎるのを待つ。飛び出してきたところを見るとマムシかな?。しかし模様はハッキリしてなかったのでどういう種類の蛇かは分からなかった。これ以後は草の生い茂った遍路道に入るのが怖くなってしまった。8時頃にようやく三角寺に着いたら公園で挨拶した若者が先に到着していて山門の前をウロウロしていた。彼はこれから次のお寺に行きたいそうだが地図を持ってないのでどう行けばいいのか迷ってたそうだ。コピーして持ってきた古い方の地図を彼にあげた。多少の役には立つだろう。
納経を済ませて朱印をもらい次の別格常福寺(椿堂)までの道を納経所で確認する。
教えてもらったのは案内板とは反対方向の道だった。さっきの彼は案内板に従って左へ行ってしまったけど大丈夫かな?気にかかった。とにかく教えてもらったとおりに舗装された山道をテクテク歩いて平山のバス停で一休み。靴下も脱いで足を干す。此処までは山の木がよく茂っていたので暑さも苦にならなかった。近くの自販機で冷たいジュースを買って飲む。今日も酷暑の陽射しだ。
近くの建設会社のお接待所でトイレを借り、常福寺に10時半頃着いた。三角寺で会った彼が気がかりだったので納経を終わって朱印を戴くときに住職さんらしき方に彼の事を尋ねた。少し前にそれらしき若者がいて雲辺寺へ向かっていったとの事。道は違っても無事に着いた事が確認できてひと安心。
ここでは、納経料とジュースをお接待で戴きました。感謝。そういえば、此処には面白い石仏があった。
石仏の前掛けをめくって・・・( ̄。 ̄)ホーーォU ̄ー ̄U ニヤリ。写真を撮って来るのだった(笑)
常福寺を発って192号線に出た所で自転車で箸蔵寺まで行くという人に出会った。これから境目トンネルまでは登り坂なので自転車を押しながら歩いているとの事。トンネルまでは前後しながら歩く。
トンネル手前では旧遍路道にするか苦手なトンネルを通るか迷ったが後ろから自転車の彼も来るので
トンネルを通って行く事にした。
このトンネルの壁には白い反射板が取り付けてあり明るいと聞いていたが、反射板も排気ガスの煤で黒くなっておりあんまり明るくなかった。早足で前方の外の明かりの見えるところまで進む。
歩道の幅も多少狭くなっていて緊張しながら歩いた。10分程でようやくトンネルを抜けホッとする。
お昼はトンネルを抜けたところにある店でうどんを食べるつもりだったが生憎お休みだった。
隣の食堂でザル蕎麦を食べた。ここから少し歩いて今夜の宿には2時頃着いた。洗濯、マッサージ、明日からの行程の検討など済ませてから風呂を戴いた。あんまり風が気持ちいいので畳の上で一眠り。
夕食は後から来た歩きの方と一緒にビールを飲みながら食べた。この宿を男手一人で切り回している親爺さんに感謝。

三角寺の山門

三角寺大師堂

常福寺(椿堂)


ようやく舗装路に出た
8月12日
昨日一緒に泊まった方と朝食を食べ6時30頃に宿の親爺さんに見送られて出発した。
暫らく水場は無いそうなので自販機からペットボトル2本を買う。少し集落の中を歩き左側の高速道路の下を潜って急登が始まった。
また、うるさく付きまとうアブに悩まされる。体から発する汗と湯気で眼鏡が曇る。ポタポタと汗が滴り落ちる。1時間程の登りで目印の鉄塔と舗装路に出た。道路脇に座って一休み。
一緒に歩いてくれた方は先に進んだ。ここからは大きなアップダウンも無く、木々に覆われたアスファルト道を進み66番雲辺寺に9時過ぎに到着。ここは88ヶ所あるお寺の中で一番高い所にある。
(H910M)これでお遍路の難所は殆ど終わった。後はゆっくりお参りして67番大興寺を目指す。
山道を下って12時30分頃に大興寺に着いた。今日もまたまた暑い日だ。陽射しが容赦なく照りつけてくる。大興寺からはアスファルトの道をダラダラと田圃や集落の中を通り抜ける。途中で鶏舎のすぐ傍を通る箇所があったが風向きによっては物凄く臭うだろうな・・・・遍路道を世界遺産にしようとする動きもあるようだが此処は絶対世界遺産にはならないだろう。そんなことを考えながら歩く。
お腹が空いてきた、何処かで休憩しようと場所を探しながらトロトロと歩いて、ようやく溜池側の地蔵堂にたどり着く。ザックを地蔵堂の縁側において靴も靴下も脱いで日蔭で一休み。
直ぐ前の空き地で地元のおばさんが鉄のボール投げの練習をしていたので「此処で一休みさせて戴いてます」と挨拶をしてボーっと眺めていた。目印にいかに近くまでボールを寄せられるか練習しているとの事。「私も昔は歩いてお遍路をした事がある」との事で少し話をしたが、内容はよく覚えてない。暑さで頭もボーっとしていたからなぁ・・・。お腹が空いていたので食堂が近くにないか尋ねたが近くには無いそうだ。もう少し行くと美味しいうどん屋があるとの事だった。お礼を言ってまた、炎暑の中を歩き出した。暑さでへとへとになって高速道路の下を通り少し行った所でうどん屋を見つけた。飛び込んで冷やしうどんを頼んだ。美味かった〜香川県に入ってようやく美味しいうどんに出会ったというところか。艶があってしっかりとしたコシが有り醤油をかけて食べるだけなのだが旨かった。
身体を冷やしてから店を出たのだが、料金を支払うときにお接待ですと100円戴いた。突然のお接待に一瞬戸惑う。南無大師遍照金剛と言って戴くのだが言葉が出てこなかった。お礼を言って店を出た。少し元気を取り戻して68番と69番を目指す。観音寺の街中を過ぎ財田川の橋を渡り68番神恵院に着いた。ここは68番と69番観音寺が隣同士でくっ付いており納経所は1ヶ所で2ヶ寺分の朱印を貰った。ここから次の札所の本山寺までは約4.5キロある。今は16時だ、春か秋の歩きやすい季節だと
ぎりぎり今日中に本山寺を打つ事はできると思うが今日も暑さでバテバテだ。宿は本山寺の手前なので明日打つ事にして財田川沿いを風に吹かれて歩いていく。16時過ぎて少し陽射しが和らいだかな。喫茶店を見つけてまた一休みする。JRの橋桁の下を通って17時半頃に今夜の宿に着いた。
ビジネスホテルとあったがワンルームマンションみたいだ。受付で素泊まりの料金を先払いする。
明日は出掛けに受付のボックスに鍵を入れておけば何時に出てもかまわないそうだ。洗濯機も乾燥機も在ったので全部の衣類を洗濯した。少し背中がかゆい・・汗疹ができているみたいだった。
風呂を済ませて隣の居酒屋で食事をしながら生ビールの大を飲んだ。旨かった。

雲辺寺山門

70番本山寺へ


70番本山寺
8月13日
6時30頃の納経前に70番本山寺に着く、昨日泊まったBHから歩いて5分ほどのところなのでゆっくり起きた。宿近くのコンビニで今日の朝食用のパンと牛乳、昼食用のお握りとお茶を買う。
お参りを済ませて納経所が開くまでの間に朝食をとってお寺を見物する。このお寺は国宝や重文の建物が一杯だった。もっと時間があればじっくり見学できたが納経所が開いたので朱印を貰って次の71番弥谷寺に向う。
今日も昨日と同じように暑い日になりそうだ。ここからはずーーっと国道11号線に沿って歩く、1時間おきぐらいに喫茶店を見つけては休憩と体温調節のために店に入った。熱中症にはなりたくない(^_^;)
2時間ほど歩いて国道から県道へさらに田圃や集落の中の遍路道に入った。71番の手前1キロくらいの地点で地図と道路が合わず道に迷う。近くに民家はなく池と交差点があるだけ。休憩できる日陰も無い、交差点近くで手を挙げて通りかかる車に道を聞こうと思うがなかなか止まってくれない。
ようやく止まってくれた方に道を聞いてふれあいパークみのに着く。汗だくなので椅子に座るのが気が引けたが、暑さと疲れには勝てず座り込む。冷たいアイス珈琲が旨かった〜。
ここから弥谷寺は直ぐ近くだった。11時に到着。108段の階段を登って本堂と大師堂へ、途中に崖に彫られた仏像があった。本堂は靴を脱いで上がり納経していただくのだが、裏側にお大師様が修行された洞窟があった。な〜んにも知らなかったのだがお参りにきた方に教えてもらった。
弥谷寺から72番曼荼羅寺までの遍路道で草深いところがありマムシが気にかかった。そろそろお昼頃でもありお腹も空いて来たのだが適当な店に出会わないまま73番出釈迦寺に着いてしまった。13時に到着。納経所で食堂を訪ねたら近くには無いとの事。ガックリしていたら気の毒に思ったのか納経所の方が無花果を2個くれた。歩きながら食べたけど旨かった。感謝。炎天下の田圃道をトボトボ歩いて74番甲山寺へ14時15分頃に到着。お参りしてから食堂の事を訪ねると近くにうどん屋があるとの事。
さっそく、うどんを食べに向う。ここのうどんは少し物足りなかった。観音寺の手前で食べたうどんの方が旨かったなぁ。でも、しっかり休憩してから今回の最終目的地である善通寺に向う。
街中の道を歩いて15時30分に到着した。さすがにお大師様が生まれたところでもあるお寺なので規模が大きかった。ここでも大師堂は靴を脱いで上がってお参りした。いろいろと見るところは沢山あったのだけど帰りの時間が気になってゆっくりも出来ず、納経所で帰りの交通機関の相談をした。
結局、岡山周りの新幹線で帰るのが一番早いのでそれにした。
今回は、炎暑、酷暑との戦いだった。夏場の遍路はもう止め(笑)。しかし、秋の遍路は仕事の調整が難しいしなぁ。・・できるだけ秋に近い夏にしよう。後は冬場の歩きもやってみたいし、野宿もやってみたい。

弥谷寺の崖に彫られた仏

75番善通寺5重の塔

     

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